良い梨作りには「技術よりもまず、良い品種を選ぶこと」/ありのみ倶楽部 前田完治さん・大生さん

多品種の梨を作る農家が選ぶ一押しは!?


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「技術よりもまず、いい品種を選ぶこと」梨農園「ありのみ倶楽部」の前田さんに、おいしい梨を作るのに必要なことを聞くと、意外な答えが返ってきました。剪定(せんてい)や有機肥料、排水管理といった技術も大事だけれど、何よりも「良いDNAを持ったものを栽培すること」が重要だと、前田さんは断言します。


梨農園「ありのみ倶楽部」は、もともと鳥取県河原町水根で10代以上続く農家です。現在は息子の大生さんに引き継いでいますが、完治さんの先代から始めた梨栽培は、今や鳥取で一、二を争うほど多くの品種扱うようになりました。


中でも前田さん一番のおすすめは秋栄(あきばえ)です。鳥取大学が開発した梨で、糖度が高くコクのある甘味が人気です。この梨は開発途中に問題が起こり、協力していた他の農家が手を引いていきました。けれども前田さんは開発中の教授と協力しながら、最後まで粘ったとか。「ちょっとは商品化の役に立ったかな?」当時を思い出しながら、穏やかに話してくれました。


「誰もせんようなことをしてみたい」前田さんの原点


そんな前田さんですが、農家を継ぐ時には梨に対していい感情ばかりではありませんでした。「誰もしないことをしてみたい」という思いに反し、当時、水根地区の農家はどこでも梨を栽培していたからです。就農後、牛の飼育や花の栽培などの挑戦をしましたがはかばかしくなく、結局梨1本に戻りました。


けれども、現状に甘んじない前田さんは品種開発にかかわったり、常に新しい品種を試したりして、今に至っています。その姿勢の源には、常に「誰もしないことをしてみたい」という、若い頃の初志が貫かれています。


情報を制するものが市場を制す


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梨農家としての前田さんの強みを聞くと、即座に「情報を得ていること」と返ってきました。常にアンテナを張り、新しいものを見つける情報収集力。情報収集手段の一つとしてSNSを活用している前田さんは、年齢経験関係なく面白そうだと感じた相手には自分から積極的につながっていきます。そして得た情報が良さそうだったら、すぐに取り入れてみる思い切りの良さも前田さんの強みです。


さらに後継者がいることも強みとなっています。現在66歳の前田さんは、後継者がいなければ、今ある品種で終わっても十分に思っていました。しかし、息子さん2人が就農し立派な後継者ができた今、これからも農園が続くからこそ、挑戦できると、喜びをにじませます。妥協せず常により良いものを目指して進んでいく姿勢 「生涯現役」の道はまだ続くようです。


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