もう一度元気な集落に!生姜づくりの存続と集落の活性化を目指して/日光農産山花繁夫さん

日光集落とそこで育つ生姜を守るために仲間達と


鳥取の生姜

鳥取市気高町日光集落——この地は鹿野城主・亀井茲矩公が御朱印船貿易で持ち帰った生姜の栽培が広がり、400年続く産地です。農家の後継者不足が進む中、日光集落の現状に頭を悩ませていた山花さんは、生姜づくりで集落に元気を取り戻そうと有志を募り、平成23年に「農事組合法人日光農産」を設立しました。「鳥取県特別栽培農産物」に生産登録され、丁寧に育てられた自慢の「日光生姜」を見せてもらおうと、山花さんに生姜穴を案内していただきました。


まるで探検家!?生姜穴をご案内します


生姜の保存穴の入り口

山のふもとのちょっと窪んだところにドアがついている、なんとも不思議な光景。このドアの向こうが生姜の貯蔵場所である「生姜穴」です。一歩奥へ入ると、すぐにひんやりとした空気に包まれます。中はしんとして真っ暗で、高さはひとがやっと立てるくらい。山花さんのヘッドライトを頼りにゆっくりと進んでいくと、左右にいくつもの「横穴」があり、突き当たった地点は入り口から23メートル。山花さんは温度・湿度計を確かめながら、生姜の最適環境について話してくださいました。温度15℃・湿度90%の穴の中で砂、生姜、砂、生姜…と隙間なく重ねて5ヶ月間熟成する間に余分な水分が抜けて辛味とコクが増し、「日光生姜」ができあがるというわけです。


生姜穴の内部

自然環境が生み出した独自の農法に感謝と尊敬の念を込めて


日光農産の生姜

硬く岩のような内壁について尋ねてみると、掘ったときの削り跡がそのまま残っているとのこと。生姜穴が400年もの間崩れずに保たれているのは、この集落の土の性質が生姜穴に適していたからで、まれに貯蔵中の生姜の切り口が傷んでしまった場合にも、砂の効果で隣り合う生姜が腐敗することはないそうです。まさに自然と先人の知恵が生み出した農法です。


「私たちが生まれたときからずっとそばにある『原種の生姜』だからこそ、品種改良などいっさい手を加えずに大切に作り続けることがいちばんです。」


山花さんのおだやかな口調からは、日光集落の自然環境が生んだ農法を尊び、400年間守り続けた先人への感謝の気持ちが感じられ、後世へ繋ぐ強い使命感までも伝わってくるようでした。


生姜穴
⇒「もっと詳しく知りたい方はこちらから」