若き梨農家が描く、これからの二十世紀梨 / フルーツギフト夢冒険 中村理司さん

もともと持っているモノを大切に



nashinouka3

鳥取の名産と言えば、甘みと酸味が程よく効いた二十一世紀梨。秋の声を聞くと食べたくなりますよね。その梨を鳥取市河原町で栽培する中村理司さんは現在31歳、梨農家の3代目です。神戸のホテルで4年間調理の仕事を経験し、Uターンしました。今は、父親とともに減農薬での梨栽培に取り組んでいます。

減農薬の土作りには肥料は使わず、冬に剪定(せんてい)した梨の枝を粉砕し、チップ状になったものをまきます。「土がもともと持っているモノで育てたいと思っているんです。土自体が栄養を持っていて、それで十分育ちますから」中村さんの言葉からは、豊かな土への愛情と誇りが伝わってきます。思い通りにならない天候で、臨機応変さが求められる梨の栽培。だからこそ日々発見があり、そこに楽しさがあると中村さんは感じています。

手間も愛情もかけて育てられる二十世紀梨



nashnouka4

二十世紀梨は、他の品種に比べて栽培が難しいとされています。二十世紀梨は自家受粉しないため、耳かきの綿のような道具を使用して花粉をつけていきます。4月の半ばから、花が咲いている2、3日中に終えねばならず、10人以上で一気に行います。その後、実が小豆大になってくると栄養が行き届くように、摘果(間引き)の作業です。形や大きさを見ながら、10分の1ほどに減らします。

6月になるともっとも大変な袋がけが始まります。袋をかけない品種もありますが、二十世紀梨はまず小袋をかけ、その上からさらに大袋をかけます。虫や病気がつきやすいためです。すべて手作業で、今年は10万袋という気の遠くなるような数を掛けました。このようにしてあのおいしさが生み出されているのです。

そしていよいよ8月末、収穫です!二十世紀梨の収穫時期は2〜3週間と短いため、集中しなければなりません。中村さんは朝4時に起き日の出とともに作業を始め、夜7時頃まで学生アルバイトも参加して総出で行います。

このように手間と愛情をかけて、おいしい二十世紀梨が私たちの手元に届けられます。

“農業のルネッサンス”を目指して



中村さんが経営する「フルーツギフト夢冒険」は、農業で経済的に自立することを目標に父親が立ち上げ、以来28年間、生産者直販を続けています。生産から選果と、箱詰め、チラシやダイレクトメールの作成まで、仕事は多岐に渡ります。けれども、その分良いものができた時の喜びも大きく、お客様からの反応が直に伝わる良さがあります。「夢冒険」ではメインとなる二十世紀梨の他に、西条柿やオリジナルの加工品などを販売しています。来年には、梨の新品種“新甘泉”の栽培も始める予定です。

良いところを大切にしながら新しいものも取り入れる――農業のルネッサンスを目指し現在進行中です。

nashinouka
⇒「もっと詳しく知りたい方はこちらから」